【コラム】北海道に文学フリマがやってきた! 日のこと

 文学フリマ札幌のない夏を迎えてしまいました。

 札幌事務局のスタッフのひとり、シロ(白)です。

 

 今年の夏は脱皮できなかった蝉のように、燃え尽きることができず悶々としています。みなさんはいかがですか? いい加減、ガラナのように弾けたいですよね……

 

 というわけで。

 今回はお知らせではなく、コラムです。

 

 はじめに。シロは生まれも育ちも北海道。第一回文学フリマ札幌から第四回まで出店・一般参加・札幌事務局スタッフのいずれかで参加。

文学フリマ】を初めて知ったのは、文学フリマ札幌が開催される前でした。

 とある作家さんが文学フリマ(当時は東京開催のみ)に出店して本を出されていて。その作家さんのブログや著書を通じて、文学フリマを知りました。その時は、その作家さんの本を買うためにいつか東京の文学フリマに行きたいなあ、と思うだけでした。

 

 それが2015年。

 文学フリマが札幌で開催されると、公式発表があったのです。

 震えましたね!

 あの憧れの文学フリマが、北海道で開催される!!

 

 2016年3月。文学フリマ札幌の出店受付が始まり、即日出店を申し込みました。ちなみに出店申込時はなんにも無いゼロからのスタート。それでも出店したくて。第一回文学フリマ札幌は7月開催だったので、4か月間で必死に準備しました。

 

 そして迎えた開催日。開場1時間前のさっぽろテレビ塔2階のロビーは、出店者の長い行列ですでに熱気に包まれていました。

 事前に送られた入場証を受付で確認してもらい、いざ会場へ。自分のスペースを見つけて設営を開始。家でシミュレーションした通りに、机に布をかけて棚を置いて本を並べて釣銭を確認して……

「開場10分前です!」と、スタッフさんの声。

 早っ!  と思っている間に、出入り口の扉が一度閉められました。

 

  閉め切られた会場の中で、自分を含めた出店者たちはざわざわしていました。

 札幌で初めて開催される文学フリマ。どのくらいの人がここに来るのだろうかと……

 

 しかしそんな不安は、間もなく打ち消されましたね。

 開場と同時に起こった拍手。待機列に並んでいた多くの一般参加者さんたちの入場。まるで文化祭のように、どこを見ても人がいました。

 にぎやかに和やかに、時間があっという間に過ぎました。大通り公園が見える大きな窓から差し込む光は眩しく、会場にいる人たちの熱気がアツい。北海道らしい夏晴れで、閉場ギリギリまで人が来る楽しいイベントでした。

 

 

 

  2020年の第五回文学フリマ札幌は中止となりましたが。

 またみなさんと、みなさんの作品と、文学フリマ札幌で会える日を心から願っています。